■生かされた理由 ~京アニ事件の深層~
語り:小須田康人
ディレクター:宇都宮雄太郎
撮影:大塚英雄
編集:野上隆司
プロデューサー:宮田輝美
カンテレ「ザ・ドキュメント」2024年2月9日放送
<ザ・ドキュメント公式ページ>
https://www.ktv.jp/document/
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2019年7月18日、社会を震撼させた京都アニメーション放火殺人事件。
ガソリンでスタジオが放火され、建物内にいた36人が死亡、32人が重軽傷を負った。
平成以降、最も多くの犠牲者を出した事件は、たった一人の男による犯行だった。
自らも全身の9割以上にやけどを負い、一時は死の淵に立った青葉真司被告(45)の裁判員裁判が2023年9月から始まる。
犯行動機について逮捕当初の取り調べで「小説を盗まれた」と話していた青葉被告。
公判の被告人質問で、謎に包まれていた自らの生い立ちや犯行に至るまでの経緯を徐々に語り始める。
複雑な家庭環境だった幼少期・人生の絶頂期・犯罪に手を染め深まる孤立。
孤独と絶望の淵で出会ったのが京アニ作品だった。
関係者への独自取材と裁判の証言から青葉被告の人物像が浮き彫りになっていく──。
一方、真実を知りたいと裁判と向き合い続ける遺族がいる。
「涼宮ハルヒの憂鬱」のキャラクターデザインを手掛けるなど、京アニを代表するアニメーターだった寺脇(池田)晶子さんの夫だ。
事件で晶子さんを亡くした夫は、「残されたもの」の使命として、妻や小学生の長男の代わりに青葉被告への被告人質問に臨む。
怒りと悲しみを抱え青葉被告と対峙する中で、芽生えた感情があった。
「青葉被告は真摯に罪と向き合ってほしい」
瀕死の青葉被告に治療を施し回復させた、元主治医の上田敬博さんも裁判の行方を見守っていた。事件の動機には根深いものがあり、裁判でその内容が公になることを願っている。
青葉被告はなぜ事件を起こしたのか?死の淵から生かされ、罪とどのように向き合ったのか?社会とのつながりを絶ち凶行に及んだ事件の深層に迫る。