硬貨を銀行に預ける際などにかかる硬貨の取り扱い手数料。ゆうちょ銀行でも1月17日から有料化されます。「手数料がかかるならもう500円玉貯金はやめよう」なんていう声も聞かれますが・・・。小銭貯金への影響や、その一方で広がるキャッシュレスの最新事情も紹介します。
■ゆうちょ銀行 1月17日から硬貨取り扱い手数料を新設
ホラン千秋キャスター:
小銭をゆうちょ銀行で預け入れるときなどに手数料がかかるようになります。硬貨をたくさんお家に持っているという方、ちょっと要注意かもしれません。1月17日から窓口での硬貨取り扱い手数料が新設されます。
大手の都市銀行では既に導入されているものなんですけれども、これまでゆうちょ銀行は導入されていませんでしたので「最後の砦」というふうに呼ばれていたそうなんです。手数料はどのように考えられるのかと言いますと、金額ではなく硬貨の枚数で決定するということなんですね。
▼硬貨の預け入れ50枚までは手数料無料
▼硬貨の預け入れ51枚から100枚までは550円
▼硬貨の預け入れ101枚から500枚までは825円
▼硬貨の預け入れ501枚から1000枚までは1100円
▼以降500枚ごとに550円加算
この背景にどんなことがあるかといいますと「窓口の負担軽減」であったり「キャッシュレス化推進のため」ということになっているんです。
これを受けて、SNS上では様々な心の叫びがあふれていました。
「郵便局が小銭の入金待ちですごく混んでいる」「手数料がかかるなら、もう500円玉貯金はやめようかな」
■手数料が痛手に “小銭貯金”の行方は?
では、実際に小銭貯金をゆうちょ銀行に預けたとき、どれぐらいの手数料がかかるのか、500円玉貯金の貯金箱で見ていきましょう。「50万円貯まる」などといった貯金箱よくありますよね。
50万円貯まるものは「500円玉が1000枚」が中に入るということなんですけれども、そうするとどれくらいの手数料がかかるのかというと▼1100円。50万円のうちの1100円だったらって思ってしまいがちですが、手数料で見て1100円って結構高いですよね。
ちなみに500円玉で50万円の場合はいいんですけれども、「1円玉1000枚」となりますと、手数料の基準は金額ではないんですよね、枚数ですので手数料1100円。▼-100円になってしまうんです。なので、この小銭貯金している場合は結構手数料が痛手になるなあ、というようになります。
窓口の手数料をご紹介しました。じゃあATMならいいんじゃないかとい思いますが、ATMでも1月17日から硬貨の取り扱いに手数料がかかるんです。
▼硬貨の預け入れ25枚までは手数料110円
▼硬貨の預け入れ26枚から50枚までは手数料220円
▼硬貨の預け入れ51枚から100枚までは330円
枚数によって110円ずつ増えていくというようなことになるんです。ですので、ATMでも窓口でも硬貨の預け入れ、払い戻しも手数料がかかってくるということですね。
井上貴博キャスター:
お賽銭で硬貨を扱う神社とか、個人商店の皆さんは痛手かと思いますけど、むしろゆうちょさんがここまで頑張ってきてくれた最後の砦、仕方ないよねって声もありますけど。
慶応大学 若新雄純 特任准教授:
こうなったら僕は、生活者視点で言えば「小銭はやっぱり貯めずにじゃんじゃん使った方がいい」と思いますけどね。
お金って貯金するにしても節約するにしても、大きな買い物をするときとか、大きな額のことをやるときに注意深く、「本当にこのオプション必要なのかな」とか「これ気が大きくなって一緒につけちゃったけど本当はいらなかったんじゃないか」って、そういうことによって節約して貯められるらしいんですよ。
1円も1万円も同じお金だっていう人いましたけど、僕は嘘だと思っていて。1円と1万円は違いますし、1万倍の差がある。多分そういうことを一緒にしてしまう、「お金は全部お金だ」としてしまうことが、お金のリテラシーの低さだと、多分世界的に言われることだと思いますので。やはり価値ってものをちゃんと見直しして、日常生活の中でもこれは使っちゃおうって思えるものは軽快に使って楽しみながら、大きなお金が動くときに真剣に考える、となっていく方がいいと思いますけどね。
井上キャスター:
今までより、よりお金というものを考えるきっかけになるんじゃないかと。
若新雄純 特任准教授:
価値はあの価値なので、そうだと思いますね。ただ「小銭だって馬鹿にならない」っていう考え方は美しいし、悪くはないんですけど・・・。そもそもお金って何だったんだっけってことは、日本もいろいろお金について学ぶ機会は増えていくのはいいのではないですかね。
■無人販売所やガシャポンまで・・・こんなものまでキャッシュレスに
ホランキャスター:
いろいろ考えさせられるこの窓口の手数料なんですけれども、背景にあったキャッシュレス化についてここから見ていきましょう。
まずはキャッシュレスの無人野菜直売所(YACYBER株式会社)で、全国で15か所あるものなんですが、専用のアプリを登録して決済方法を事前に登録するそうなんですね。あとは直売所で購入した野菜のQRコードを読み取るだけでいいということなんですが、小銭を持っていなくてもキャッシュレスで買うことができます。
続いては、小さい頃100円玉を握りしめて、皆さんガシャガシャと回す「ガシャポン」。これもキャッシュレスになっているんですね。スマートガシャポンというものなんです。
▼スマートガシャポン(バンダイ)の使い方
(1)欲しい商品を画面で選択
(2)ICカードやQRコードをリーダーにかざして決済
(3)ハンドルを回して商品をゲット
現在約200台設置されているようで、私達の思い出と今の小さい子の子どもたちの思い出っていうのは小銭にまつわる思い出変わってくるのかもしれないですね。
井上キャスター:
でも、生活を思い返しても、現金を最近使ってますか?
ホランキャスター:
使うときは使いますけど・・・。
井上キャスター:
私、食事しに行って割り勘のときに使うかどうかぐらいで本当使わなくなったんですけど。だから財布もなくなっていくのかななんて思っています。
若新雄純 特任准教授:
大人の方もたまたま出てしまった小銭をどうするか悩んでるんだと思うんですけど、僕はじゃんじゃん子どもとか孫にあげた方がいいと思っているんですよ。
小銭って大人にとってみれば持ち運ぶのも重たいとか、預けるにも手数料かかるってなってきちゃってますけど、子どもになればなるほどすごいありがたいじゃないですか。嬉しいし。当然その100円や500円でも小さい子には価値があるわけで、破れにくい、持ち運んでも傷みにくい硬貨を通して、ちゃんと何かでお金を使ってお釣りをもらうとか、使ったら減るんだよってこととかを日常生活で学ぶみたいな。
お札はまだ大人になってからねって言いながら小銭は子どもたちに託していって、物を買う喜びとか計算する楽しさみたいなものを子どもたちに託すのがいいんじゃないかなと。
井上キャスター:
確かにさっき言ったお金の価値で言うと、親御さんよくおっしゃるのは「子どもたちはやはり手にないとキャッシュレスだとお金の価値がわからないから怖いんだ」と。それを勉強するためにも小銭などはそういうときに、教育にもなるし。
若新雄純 特任准教授:
勉強といっても損失が出ちゃうわけですが、1個最大500円なわけですから、ちょうどいいんじゃないかと僕は思いますけど。
ホランキャスター:
でも皆さんお年玉とかも“ペイ”でもらう時代じゃないですか。小銭をどれくらい、そういった価値のあるものというふうに見てるのかも、もしかしたら・・・。
井上キャスター:
もうこの議論自体が「小銭で価値を考えてるって30代の人言ってるけど何言ってんの」っていうことですか。
若新さん:
だから僕はもう逆行して、この前甥っ子に100円玉50枚であげました。
(14日17:03)