レジ袋有料化から約1年、小泉前環境大臣の退任で「レジ袋有料化」見直しの声が上がっています。無料化に対する期待の声がある中、レジ袋を辞退する人の割合が増え、環境意識の高まりなどの結果も出ています。
その一方で、エコバッグを使った万引きが増えるなどのデメリットがあるのも事実。レジ袋の有料化から1年、改めて、レジ袋について考えてみました。
上村彩子キャスター:
有料レジ袋の見直しの一つのきっかけとなったのが自民党の桜田義孝衆院議員の5日のツイートです。
「地域の皆様からの要望で、レジ袋についてのご要望を頂いております。レジ袋有料化のメリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」
このツイートに3万を超える「いいね」がつきました。そして7日の夕方までに、1900件を超える返信もありました。そして番組がこのツイートの真意を聞いたところ、桜田議員は「レジ袋の無料化を含め再検討が必要だ」ということです。
また「要望」について具体的に聞いてみると
▼生ものをエコバックに繰り返し入れると衛生上悪い
▼万引きを発見しづらくなり、経営面で打撃になる
といった声が地域の人からあったそうです。
レジ袋有料化から1年以上が経ちました。実際この1年の実態はというと・・・
【レジ袋の辞退率】
スーパーマーケット(日本チェーンストア協会より)
有料化前 57.2%
有料化後 80%
コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会より)
有料化前 28.3%
有料化後 74.6%
ネットの声を見てみると「環境問題への意識が高まった」「エコバックに入る量しか買えないので、余分なものを買わなくなった」ということです。
レジ袋有料化は、お店にも利点があります。スーパーアキダイの秋葉弘道社長は「レジ袋代が年間約100万円削減になった」と言っています。
井上貴博キャスター:
レジ袋のゴミというのはプラスチックゴミ全体から見るとごくごく一部だと言われますが、個人的にはこの有料化賛成派なんですが、政策の効果をしっかり検証してデータを示していただきたいなとは思うんですけど。
獨協大学経済学部教授・経済アナリスト 森永卓郎コメンテーター:
私は一番大きいのは、意識改革だったと思うんですね。私が子どもの頃はみんな買い物カゴを持って商店街に行っていたので、(エコバックを使うことは)なんともないんですけど、そこに若者たちを一緒の行動に振り向けさせたっていう意味では大きな意味はあったと思います。
上村キャスター:
本当に1枚1枚のレジ袋を大事にするようになりましたよね。では実際、レジ袋の有料化でプラゴミは減ったのか?ということなんですが、レジ袋は家のゴミ袋などに再利用している人がほとんどなんです。93%の方が再利用しています。私も生ゴミを入れたり、透けたら嫌な物を捨てるときにレジ袋を使ったりしています。
有料化でレジ袋の利用が少なくなりました。そしてもらうことも少なくなりました。これによって、市販の取っ手つきポリ袋の売り上げが有料化前の2倍になったそうなんです。ゴミを捨てるためにポリ袋を買う人が増えたということです。
レジ袋の有料化には不満の声もあります。「レジ袋いりますか?」という会話が、コロナ禍の中で感染リスクを上げているのではないか。この一言の会話が前より増えたことによって、不安に思う人もいるようです。
ホラン千秋キャスター:
スーパーによっては、声かけなしで「袋が必要な場合はこのカードを入れてください」というところもあるので、何か工夫すればこのリスクは減らせそうですけどね。
森永コメンテーター:
最近コンビニでレジ自体が喋るのもありますから。
井上キャスター:
なんか3人とも賛成派みたいですね。
上村キャスター:
そしてこれは私もよくわかります。「エコバックが食べ物の汁でびちゃびちゃになってしまう」。乾かす時間も考えたりすると、洗ったりするのも大変ですよね。そして他にも「袋に自分で入れるのが大変。後ろに並んでいる人の圧が気になる」ということですが、エコバックを使用していてこういったことを感じますか?
ホランキャスター:
感じますけど、まあ別に、っていうか・・・何かその辺は別にあんまり気にならないというか、いいかなっていうふうに、多分我慢できちゃうタイプなんだと思います。
井上キャスター:
みんなそうですからね。あと男性がエコバックを持ちやすくなったというのはありがたい気もしますけど。
森永コメンテーター:
コンビニはもうレジ打ってる最中からポンポンエコバックに入れても、全然怒られないので、やっちゃえばいいと思う、自分で。
井上キャスター:
ごめんなさい。3人結託してるみたいで。(笑)
上村キャスター:
たまにエコバッグを忘れちゃうときがあると、ああ、今日忘れちゃった、って気分が沈んじゃうときもね。
ホランキャスター:
あります、あります。
井上キャスター:
そういうときは買った物を抱えて。
上村キャスター:
でもその“抱える”というのが、お店側はちょっと不安に思ってしまうこともあるというんです。お店で困ったことを千葉県旭市のスーパー「フレッシュイイダ」さんに聞きました。エコバックの利用が増えたことで、万引きが約3倍に増えたそうなんです。袋に入れないでお店の外に出るお客さんが増えました。これによって担当者はレジ袋を断って物をそのまま持っているのか、万引き犯なのかわからないので、そもそも声をかけにくいということをおっしゃっていました。
お店側も対策をしています。万引き防止のステッカーを増やす、防犯カメラも増やしています。さらには、こちらのスーパーでは店員がいない裏口があったそうなんですが、400万円かけて改修してレジを設置しました。そして店員を常駐させるようにしたんです。担当者は「万引きが続くようだと、経営がとても厳しい。なんとか万引きが減ってもらえれば」とおっしゃっていました。
ホランキャスター:
万引き対策のために透けているビニール袋がいい、というのであれば、例えば、環境に悪影響がない成分に分解される生分解性プラスチックを使ったレジ袋を導入しているお店に支援をしたりとか。コストが高いので補助金を出したりというところを推奨していけば、一歩先になるなというふうに思うので、レジ袋無料化について言及した桜田義孝議員も、ただ無料化に戻す、というんじゃなくて一歩先の提案をしてくれたら嬉しいのになというふうに思いました。
井上キャスター:
何かそちらの人たちにボールを投げた感じに見えてしまうんですよね。
森永コメンテーター:
でもそもそも万引きはいけないことなので、レジ袋のせいにするんじゃなくて、万引きGメン雇って、よくテレビでやってるじゃないですか。片っ端から捕まえればいいと思いますけどね。
井上キャスター:
あれも初期投資がかかって経営にまたダメージ、となるので。しかも「万引き」という言葉を使ってしまいますけど、れっきとした犯罪で、「窃盗」ですからね。それを防ぐアイディアって何かないかなって思いますね。
森永コメンテーター:
みんなでGメンになりますか。
井上キャスター:
それもありますね。
ホランキャスター:
なかなか難しいですね。(07日17:11)