一般的に「ハイリスク・ハイリターン」と言われている『海外FX取引』。その話題性の高さから、投資や副業として試してみたいと思われている方も多いのではないのでしょうか。とはいえ、初心者がFX取引を行う場合には、リスク管理ができていないと予想外に損失を拡大させてしまうことにもつながりかねません。しかし、海外口座で行うFX取引は、正しい知識と情報をもって行えば、世の中でいわれているほど危険な投資ではありません。ここでは海外FX取引を行う際に心がけたいリスク管理と、その重要性についてご説明していきたいと思います。
海外FX取引とは?
まずはじめに、FXとは『Foreign Exchange』の略称で、外国為替証拠金取引のことを意味しています。つまり、円とドルなどの異なる法定通貨を売買して交換する外貨両替のことを指しています。海外旅行したことがあるなら、誰でも手持ちの日本円を旅行予定の国で使われている通貨に両替したことがあるかと思います。その際、日本出発時に5,000円を米ドルに両替したら50米ドルだったのに、帰国の時に再び50米ドルを日本円に両替したら5,250円だった、なんて経験はありませんか?このように世界の各々の通貨価格(レート)は常に変動しています。そして、このシステムを用いて「買った/売った価格」と「売った/買い戻した価格」の「価格差」を取引するのがFX取引というわけです。また、このFX取引を行っている日本国内の業者に対し、海外に拠点を置いているFXを分けるため『海外FX』という言葉が使われています。
レバレッジ
こうしたFX取引の大きな特徴として挙げられるのが『レバレッジ』という仕組みです。例えば、10倍のレバレッジを使えば10万円の10倍、つまり100万円分の取引を行うことができるというわけです。国内FXの場合、金融庁のレバレッジ規制により担保となる保証金の最大25倍までの金額を取引することができることが定められていますが、海外口座であれば、各FX会社によって様々異なるものの、レバレッジは100~1000倍までが主流という、桁違いの数字になっているのです。つまり、仮に運用資金が10万円しかなかったとしても、レバレッジ1000倍の口座で運用すれば、1億円の取引も可能ということになるのです。このように、高いレバレッジの取引は利益が大きくなる可能性が高まる一方で、相場を読む力や取引スキルが伴っていなければ、大きな損失を出すリスクも高くなってきます。取引に慣れていない間は、まずは低いレバレッジ倍率で取引するのをお勧めします。最初から高いレバレッジで取引をはじめてしまうと、「大きな利益が得られる」と考え、取引金額や売買のタイミングなどについて冷静に判断できなくなることがあります。利益や損失を確定すべきタイミングで売買ができないと、損失も大きくなりやすいです。
投資総額・取引スパンを明確にしておく
FX取引は少額でもできるとはいえ、ある程度の自己資金を用意するのが一般的です。投資に回す金額は、借金をして調達したり生活費をあてたりするのではなく余裕資金を利用するべきです。そのため、FX取引を行う際には資金管理ルールの一環として投資可能総額を決めておくことが大切になってきます。投資可能総額を決めておかないと、損失を取り戻そうと躍起になってしまい、生活費の一部を投資に回してしまうなどの可能性も出てきます。そういったことにならないよう、投資可能総額の上限をあらかじめしっかり決めておきましょう。
また、FX取引は取引スパンの違いによって短期、中期、長期に分けられます。まず、短期取引とはいわゆるデイトレードのことを指しています。1日の間に何度も取引を実行し、基本的にはポジションを持ち越さずに1日の中で利益を確定していく手法です。次に、中期取引とは、数日から数週間、場合によっては数か月の為替相場の変動を予想し、その予想にあったポジションをとって為替差益を狙う取引手法です。中期取引のメリットは、短期取引のように、1日中相場の動きを注視する必要がない点と保有する通貨ペアによってはスワップポイントが得られる点です。最後に、長期取引とは、1年以上など長期にわたってポジションを維持して為替差益を狙う取引手法です。このように、取引スパンによってそれぞれ特徴や注意点が違うので、どのスタイルで取引するか、あらかじめ決めておくことをお勧めします。